Figma AIの新機能、2026年6月時点で本当に使えるのはどれか
Config 2026で大量のFigma AI機能が公開された。基調講演ではなく実際の使用感で判断し、本番投入できるもの、大幅な手直しが必要なもの、見送るべきものを仕分けする。

Config 2026で発表されたFigma AIの新機能の大半は、まだ仕事を任せられる段階にない。一方で、地味だが既に実用に耐えるものもいくつかある。話はそれだけなのに、基調講演はハイライト映像でその事実を埋もれさせた。
Config 2026は6月20日に閉幕し、Figmaは一連のAI機能を引っさげて登場した。プロンプトからプロトタイプを生成するFigma Make、テキストプロンプトからレイアウトを作るFirst Draft、AIによるオートレイアウト提案、バリアント生成、そしてプレースホルダーのテキストと画像を補うコンテンツ対応フィルだ。ステージ上ではすべてが楽々とこなされているように見えた。しかしデザイナーたちが1週間かけて並べてテストした結果を投稿し終えた今、デモと日々の実務との間にあるギャップは誰の目にも明らかになった。
実際に使ってみると、今回のリリースは3つのグループに分類できる。
- 本当に時間を節約してくれる地味なユーティリティ
- 速いが雑な出発点を渡してきて、後で片付けが必要になるジェネレーター
- 実際のデザインシステムに触れるとまだ通用しないデモマジック
Config 2026が実際に出荷したもの
Figmaが出荷したのは単一の機能ではない。幅広いラインナップを出荷したのであり、それらを一括りにすることこそ、ハイプがあなたの代わりに犯した間違いだ。
目玉の位置にいるのは、プロンプトからプロトタイプを構築するFigma Makeだ。欲しいものを説明すれば、コードを伴う動くプロトタイプを生成してくれる。これがConfigの目玉展示であり、誰もがスクリーンショットを撮った機能だ。
その下に位置するのがFirst Draftで、テキストプロンプトをレイアウトに変換し、白紙のキャンバスの代わりに出発点となるフレームを用意してくれる。さらに小粒な機能群も続く。選択範囲に対してオートレイアウトを提案するAIオートレイアウト提案、コンポーネントのバリアント生成、レイヤー名を整理するAIレイヤー名変更、そして埋め草テキストや灰色のボックスの代わりにリアルなプレースホルダーテキストと画像を配置するコンテンツ対応フィルだ。
これらは同じ種類の機能ではない。一方はデザインそのものをやろうとしており、残りはデザインの周辺にある雑用をこなそうとしている。それぞれ別の評価に値するので、ここで個別に下していく。

評価、全機能を仕分けする
保存しておくべきはこの表だ。それぞれの評価は、一般公開後最初の1週間における現役デザイナーの定性的な所感であり、ベンチマークではない。Configから10日後の時点で正確な数字を持っている者などおらず、パーセンテージを提示してくる相手は誰であれ当て推量をしているだけだ。
| 機能 | できること | 評価 |
|---|---|---|
| AIレイヤー名変更 | 「Frame 247」のような無秩序なレイヤー名を読みやすい名前に整理する | 今すぐ使える |
| コンテンツ対応フィル | リアルに見えるプレースホルダーのコピーと画像を生成する | 今すぐ使える |
| AIオートレイアウト提案 | 選択範囲に対してオートレイアウトを提案する | 今すぐ使える |
| First Draft | プロンプトからレイアウトを生成する | 手直しすれば使える |
| バリアント生成 | コンポーネントのバリアントを一気に生成する | 手直しすれば使える |
| Figma Make | プロンプトから動くプロトタイプとコードを生成する | 実プロダクト作業にはまだ早い |

このパターンは分かりやすい。勝っている機能は雑用をこなしているものであり、苦戦している機能はあなたの代わりにデザイン上の意思決定をしようとしているものだ。
今すぐ使えるもの
これらは月曜日から使い始めればいい。地味だが、地味であることこそが要点だ。
AIレイヤー名変更は、今回のリリースの中で最も迷わず「使える」と言える機能だ。共有ファイルはどれも「Frame 128」や「Group 12 copy 3」といった名前の墓場になっていく。一度実行するだけで、チームメイトが迷わず辿れる状態に変わる。華やかさはなく、レイアウトを壊すリスクもなく、ハンドオフのたびに払っていた手間賃を節約してくれる。
コンテンツ対応フィルは、密かなお気に入りだ。リアルなプレースホルダーコピーと信憑性のある画像によって、モックアップはワイヤーフレームではなくプロダクトのように見える。誰も灰色の四角に目を細める必要がなくなるので、クライアントレビューも速く進む。触っているのは構造ではなく見た目なので、リスクはほぼゼロだ。
AIオートレイアウト提案も、あくまで「提案」として扱う限りは同じグループに入る。整理された選択範囲に対しては、理にかなった余白とスタッキングを提案してくれ、たいていは近い答えにたどり着く。確認作業は必要だが、面倒なグループに対してゼロからオートレイアウトを組むよりは確認するほうが速い。

使えるが、片付けという税金を払わされるもの
この2つは本当に役に立つが、本当に未完成でもある。白紙のキャンバスから素早く抜け出させてくれる一方、そのスピードの代償を後で支払わせてくる。
First Draftはプロンプトからレイアウトを生成するが、正直な評価としては、これが渡してくるのは画面ではなく出発点となるフレームだ。プロンプトが汎用的であれば、出力も汎用的になり、どんなUIキットでも見覚えのあるテンプレート的な配置になる。あなたのデザインシステムを知らないため、余白、タイプスケール、コンポーネントはあなたのものではなくFigmaのデフォルトとして出力される。馴染ませる前に再構築が必要になり、よく作り込まれたシステムの上ではその再構築が節約したはずの時間を食いつぶすこともある。
バリアント生成も同じ形をしている。状態とサイズのマトリクスを素早く立ち上げてくれるので、組み合わせの多いコンポーネントでは本当に助かる。しかし生成されるバリアントは「正しい」というより「近い」程度のことが多く、トークンからずれているものを見つけては修正して回る必要がある。手作業で一つずつ作るよりは速いが、それでも手離れはしない。
どちらも「作者」としてではなく「加速装置」として使うべきだ。タスク最初の90秒は得意だが、最後の10分は平凡で、その最後の10分にこそ職人技が宿っている。
まだデモマジックの域を出ないもの
Figma Makeは基調講演がそれを中心に組み立てられた機能であり、そして現時点で実際のファイルに最も耐えられない機能でもある。

使い捨てのプロトタイプや、背後にシステムを持たない最初の試作UIであれば、Makeは正真正銘印象的だ。プロンプトを打てばインタラクティブな何かが手に入り、本来より1時間早くミーティングで見せられる。まだ決め切っていないアイデアのスケッチパッドとしては、十分にその役割を果たす。
厄介なのは、既存のデザインシステムを尊重しなければならない瞬間からだ。あなたのコンポーネント、トークン、規則の内側で構築するよう求められても、確実には守ってくれない。勝手に構造を発明し、ライブラリを無視し、スクリーンショット上ではもっともらしく見えても実プロダクトに統合しようとすると崩れる出力を生成する。その時点であなたがしているのはデザインではなく修正であり、他者が勝手に発明した構造を修正する作業は、自分でゼロから作るよりも遅いことが多い。
つまりMakeは無用ではないが、完成もしていない。アイデアを外に出すには速い手段であり、出荷するには遅い手段だ。今四半期は本番ツールではなくプロトタイピング用のおもちゃとして扱っておけば、痛い目を見ることはない。
AI機能を見極めるたった一つのルール
ここまでに挙げたすべての機能、そしてFigmaが次に出荷するバッチ、さらにその次のバッチまでも仕分けられるルールがこれだ。
その機能が「雑用」をこなしているのか、それとも「意思決定」をしているのかを問え。 雑用系の機能は片付け、穴埋め、リネーム、提案を行い、正解が存在し、小さなミスのコストが低い領域で機能する。意思決定系の機能はレイアウト、生成、構築を行い、答えが判断に委ねられ、誤った判断が下流のすべてに連鎖していく領域で機能する。
雑用系AIは出荷されたその日から使える。なぜなら、その出力は一目で検証できるからだ。意思決定系AIは、ほぼ完璧でなければ割に合わない。その仕事を確認し修正することが作業の大部分を占めるからであり、そして現時点ではほぼ完璧とは程遠い。この一つの問いだけで、自分でテストを一つも回す前から、どのトグルを信頼すべきかが分かる。
公正な反論(片付け税は実在する)
この種の記事に対する正当な反論は、ジェネレーターを過小評価しているのではないか、というものだろう。そしてそれに対する正当な答えが、片付け税だ。

速くて雑な出発点は、完成とは別物だ。First DraftやMakeが10秒で何かを渡してくるとき、その10秒は本物だが、それをあなたのシステム、余白、コンポーネント、トークンへと引き戻すのに費やす20分もまた本物だ。システムのない個人用ファイルであれば、その税は小さく、スピードはそのまま純粋な利益になる。実在のライブラリを持つ成熟したプロダクトでは、その税が利益を完全に帳消しにすることもあり、時にはマイナスにすらなる。
だからといってジェネレーターを切り捨てる理由にはならない。むしろ、どこで元が取れるのかを正確に見極める理由になる。ゼロからの探索、使い捨てのプロトタイプ、方向性のピッチ、そうした場面では雑で速い出発点が、遅くてきれいな出発点に勝る。確立されたシステムの中での本番作業こそ、その税が最も重くのしかかる場面であり、それはまさに基調講演のデモが一度も見せなかった種類の作業だ。
基調講演がベストケースを見せたのは、基調講演とはそういうものだからだ。あなたの仕事は自分自身のケースを知ることであり、そしてあなたのケースにはおそらく、デモには存在しなかったデザインシステムが存在する。
FAQ
2026年のFigma AIは実際に使えるのか
一部は、イエスだ。ユーティリティ系の機能、つまりAIレイヤー名変更、コンテンツ対応フィル、オートレイアウト提案は、今すぐ日常的に使うのに十分なレベルにある。ジェネレーター系のFirst DraftとFigma Makeは、出発点としては優秀だが、実際のデザインシステムの中で仕上げる段階では弱い。
Figma Makeとは何で、使うべきか
Figma Makeは、Config 2026で発表されたプロンプトからプロトタイプを構築する機能で、説明文から動くプロトタイプとコードを生成する。使い捨てのプロトタイプや、背後にシステムを持たない最初の試作UIに使うといい。確立されたデザインシステムの中での本番作業では頼ってはいけない。コンポーネントを無視して片付け作業を生み出しがちだからだ。
Figma First Draftとは何か
First Draftはテキストプロンプトからレイアウトを生成し、白紙のキャンバスの代わりに出発点となるフレームを与えてくれる。加速装置として有用だが、汎用的なプロンプトは汎用的でテンプレート的な出力しか生まない。デザインシステムを知らないため、馴染ませる前の再構築を見込んでおく必要がある。
実際に時間を節約してくれるFigma AI機能はどれか
雑用系の機能だ。AIレイヤー名変更は乱雑なレイヤーツリーを整理し、コンテンツ対応フィルはプレースホルダーのボックスをリアルなコピーと画像に置き換え、オートレイアウト提案は余白とスタッキングのスピードを上げる。これらが時間を節約してくれるのは、その出力の検証に必要なのが作り直しではなく一目見るだけで済むからだ。
Figma AIは既存のデザインシステムと噛み合うのか
ムラがある。ユーティリティ系の機能は構造に関する意思決定をしないため、あなたのファイルを尊重してくれる。ジェネレーター系の機能、特にFigma Makeは、まだあなたのコンポーネントやトークンを確実には守ってくれず、それが片付けコストの大半の発生源になっている。
まとめ(ユーティリティはオンに、ジェネレーターは疑ってかかれ)
ユーティリティはオンにし、ジェネレーターは疑ってかかる。それが2026年6月時点のFigma AIに対する戦略のすべてだ。
AIレイヤー名変更、コンテンツ対応フィル、オートレイアウト提案は、一目で検証できる雑用をこなしてくれるからこそ、今日その地位に値する。First Draftとバリアント生成は加速装置であり、最初の90秒は優秀だが最後の10分は平凡だ。だから使うのは始める時だけにし、仕上げには使わない。Figma Makeは素晴らしい基調講演と実ファイルでの問題を抱えたプロトタイピング用のおもちゃであり、スケッチには値するが出荷には値しない。
今回のリリースは本物であり、同時にムラもある。そのどちらもが同時に真実だ。すべての機能を「雑用をこなしているのか、意思決定をしているのか」で判断し、それに応じて信頼すれば、Figmaが単にデモで見せただけのものではなく、実際に届けてくれた利益を手にできるはずだ。
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